NBA再開で気になる八村塁とウィザーズ。PO進出にはデメリットがある (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 ただ、再開後のウィザーズに関して引っかかることがひとつある。再開後に勝ち進んでプレーオフに出場した場合、有望な選手をドラフト指名できる確率が下がってしまうということだ。

 今の順位のまま(イースタン9位・全体22位)シーズンを終えると、ウィザーズは8月26日に開催予定の「ドラフトロッタリー(※)」に参加することができる。(※)プレーオフ進出を逃した14チームによる、1巡目上位4位までのドラフト指名順位を決める抽選。1巡目5位以降は通常のウェーバー方式。

 成績が下位のチームほど当たりを引く確率が高くなる複雑な仕組みで、全体30~28位のチームが全体1位指名権を獲得する確率は一律で14%。ウィザーズが全体22位で9番目に抽選を行なうと仮定した場合、確率は下がるが可能性は4.5%ある。トップ5(全体5位までの指名権を得る確率)となると20%まで上がるが、プレーオフに進出した場合はロッタリー対象から外れ、全体15位での指名が確定してしまう。

 チーム再建中のウィザーズは、ポストシーズンに出場できたとしても、上位進出が望める戦力はない。8位でのプレーオフ進出なら、第1ラウンドは中断前のイースタン首位(2位と6.5ゲーム差)で第1シードになるだろうミルウォーキー・バックスと対戦することになり、大敗することがほぼ確実。戦力補強が必要なチーム状態にもかかわらず、ギリギリでプレーオフに進むことで大事なロッタリー指名権を犠牲にするのは、割に合わないと考える関係者も出てくるに違いない。

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