NBA新人王争いの行方。八村塁の同期ふたりの活躍が尋常じゃない (4ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images


 ともにサウスカロライナ育ちのふたりは、モラントが10年生(日本の高校1年)、ザイオンが9年生(日本の中学3年)になる前の夏にチームメイトだったのだ。

 まだふたりとも、全米に名前が知れわたる前のこと。サウスカロライナ自体がそれほど多くのNBA選手を輩出してきた土地ではなかったため、当時の彼らは、将来はNBAに入り、サウスカロライナのバスケットボールのことを全米に知らしめたいと思っていたという。

「それが僕らの目標だったんだ」とモラント。

 1月31日にふたりがNBA選手として初めて対戦した試合は、その点で大きな意味を持っていた。その記念にふたりは試合後、ユニフォームを交換している。

「1位と2位でドラフト指名されて、(NBAの舞台で)対戦して、試合後にユニフォームを交換するなんて思ってもいなかった」とザイオンも感慨深く言った。

 新型コロナウイルス感染拡大によるシーズン中断で、2度目、3度目の対戦は延期になっていた。この3カ月のことを考えると、シーズンが再開できることもだが、注目のふたりの対戦がまた見られるというのは、奇跡のようでもある。

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