BリーグMVP田中大貴は八村塁から大きな刺激。「強い覚悟を持ってやる」 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO


 一方で、田中は「仕方ないこと」と受け止めている。状況を考えれば、試合を続けるのは難しいことだと早くから感じていたからだ。

「当初は再開できると思っていましたけど、日に日に状況が悪化するなかで、打ち切りを覚悟していました。一度無観客で再開しましたけど、体調不良者が出て中止になる試合もあった。その時点で公平性が保たれていなかったので、無観客でもきついかなと。

 試合がいつ再開されるかわからないなかでモチベーションを保つのも難しいですし、なにより試合をやって誰かが感染してしまったらと考えたら、これ以上やるのは難しいなと思っていました」

 結局、シーズンは打ち切りになってチャンピオンシップもなくなり、優勝チームはなしとなったが、田中が今季最も輝きを放った選手であることに変わりはない。

「MVPをいただけたことはうれしいし、栄誉なこと。でも、『優勝していないのに』と思っている人もいるかもしれない。それなら来年、もう1回取ったらいいんじゃないかなと。そこは新しいモチベーションになっています」

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