ジョーダンとの「ラストダンス」。神様と1on1をした日本人選手の物語 (8ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO


 ジョーダンが「1on1の希望者は?」と尋ねると、参加者全員が勢いよく手を挙げた。参加者を見渡すジョーダンは、ひとりの少年に気づき、彼を対戦相手に指名してこう言った。

「彼はうまいぞ。日本で一度、対戦したことがあるんだ」

 あの頃、誰もがジョーダンに憧れ、誰もがジョーダンになることはできなかった。KJもそのひとりだ。

 KJが出場した『Nike Hoop Summit』でアメリカ選抜としてプレーしたルー・ウィリアムス(ロサンゼルス・クリッパーズ)は現在もNBAでプレーしているが、モンタ・エリスやタイラー・ハンズブローといった選手はすでにプレーをしていない。

 一方、KJはBリーグの京都ハンナリーズでプロ11年目のシーズンを終え、今季は47.2%の高確率で3Pシュートを沈め、ベスト3P成功率賞を受賞している。

 あの日のジョーダンの言葉が、今も現役を続けるKJのモチベーションのひとつになっているのは間違いない。

「彼はうまいぞ」

 KJの胸のなか、神様の言葉が今も響いている。

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