八村塁の活躍に宇宙飛行士も感嘆。
強豪相手に今季ベストプレーを見せた

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by ZUMA Press/AFLO

東京五輪&パラリンピック
注目アスリート「覚醒の時」
第4回 バスケットボール・八村塁
攻守でチームを勝利に導いた76ers戦(2019年)

 アスリートの「覚醒の時」----。

 それはアスリート本人でも明確には認識できないものかもしれない。

 ただ、その選手に注目し、取材してきた者だからこそ「この時、持っている才能が大きく花開いた」と言える試合や場面に遭遇することがある。

 東京五輪での活躍が期待されるアスリートたちにとって、そのタイミングは果たしていつだったのか......。筆者が思う「その時」を紹介していく----。

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チームの主力として活躍するNBA1年目の八村塁チームの主力として活躍するNBA1年目の八村塁 八村塁のNBAルーキーシーズンは、多くのハイライトに彩られてきた。

 シーズンが中断されるまで、ワシントン・ウィザーズの主力選手として41戦に出場。いきなりダブルダブル(14得点、10リバウンド)をマークした昨年10月23日の開幕戦(ダラス・マーベリックス戦)はすばらしかったし、ホーム開幕戦で23得点を挙げた10月30日のヒューストン・ロケッツ戦も忘れられない。

 ほかにも、今季最多の30得点を記録した12月1日のロサンゼルス・クリッパーズ戦、ヤニス・アデトクンボを守備で苦しめた2月24日のミルウォーキー・バックス戦など、印象に残るゲームを挙げていったらキリがないというのが正直なところだ。

 そんな中で筆者はベストゲームを挙げるとすれば、12月5日のフィラデルフィア・76ers戦を選ぶ。 ほかの節目のゲームほどの派手さはなかったかもしれないが、その日まで15勝6敗と好成績を残していた強豪チームを相手に、総合的に見て、今季最高のプレーをしたように思えるからだ。

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