八村塁のベストゲームのひとつ。
MVP相手に守備で見せた成長の証

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 2月19日、スポーツウェブサイトの『ブリーチャーズ・レポート』は、今季のNBAにおける各ポジションの「ワーストディフェンダー」を選定した。『ESPN』、『バスケットボール・リファレンス』などの分析を基準にしたこの企画で、PF部門には八村の名前も含まれていた。その守備難はオフェンス偏重のウィザーズのシステムに影響されている感もあり、手厳しい評価に思えるが、もちろん八村に改善の余地があるのは事実だろう。

 しかし心強いのは、八村も現時点での自身の課題をしっかりと認識していることだ。今季を通じて「ディフェンスでもオフェンスでもインパクトを与えられるようになりたい」と語っており、オールスターブレイクにも今後の課題として守備力を挙げていた。そして、その直後に迎えたバックス戦で、しかもMVP候補を相手に優れたディフェンスを見せたことには大きな意味があったはずだ。

「(アデトクンボは)やっぱりベストプレーヤーってことで、すごい気合入れて今日はゲームに入りました。力強く、フィジカルなプレーを頑張ってできたんじゃないかなと思います」

 敗戦後の八村は言葉数が少ないことが多いが、バックス戦は"やるべきことはやった"という満足感が感じられた。米メディアの取材には「彼をガードするのは僕の仕事なので、恐れはありませんでした」とも答えるなど、この日の出来には少なからず手応えを感じたのだろう。

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