2020.03.04

八村塁のベストゲームのひとつ。
MVP相手に守備で見せた成長の証

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 結果として、ウィザーズ戦でのアデトクンボは前半だけで6ターンオーバーを犯し、ゲーム全体でも自身の平均を大きく下回る22得点のみ。前半からファウルトラブルに陥り、最終クォーターには6ファウルで退場になった。

「(八村は)ディフェンスですごいインパクトをもたらしてくれた。多くのプレーに絡んでいたのも成長の証だ。若手選手は得点しないと活躍していないように感じるかもしれない。ネット上のハイライトやインスタグラムで結果を見る際、多くの人は得点に意識を置きがちだが、スコアラーとしてだけでなく、塁は今日、ディフェンスでも貢献した」

 試合後、ブルックスHCは八村の頑張りに称賛を惜しまなかった。もちろんアデトクンボをガードしたのは八村だけでなく、独力でファウルアウトに追いやったわけではない。だが、バックス戦での背番号8の守備面の頑張りが、ルーキーとは思えないものだったことは誰も否定できないだろう。この日は、チームメイトのブラッドリー・ビールが自己最多の55得点を挙げて気を吐いたが、八村の奮闘がなければ、そもそも接戦にすらならなかったはずだ。

 ここで断っておくと、プロ生活1年目の八村は、ディフェンス面で高い評価を受けてきたわけではない。中間距離のジャンプシュートや、ゴール周辺のプットバック(オフェンスリバウンドのボールをそのままダンクするシュート)などで得点を稼ぎ、平均13.9得点は及第点。ただ、数字に残りにくいディフェンス面でのミスは少なくなかった。経験不足ゆえポジショニングに難がある上に、スピードへの対応の難しさは攻撃時よりも守備時に目立っているように思えた。