ウォリアーズ帝国崩壊→NBAは戦国時代へ。渡邊や馬場のチームは? (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 そしてなにより、レブロンが34歳となり、明らかにスピードは全盛期のそれではない。残された時間を考えれば、カンファレンス制覇に手が届く距離にいる今季は、是が非でも勝ち切りたいはず。

 一方、派手さはないものの、堅実な補強で注目すべきは古豪ユタ・ジャズ(50勝32敗/ウェスタン5位)だ。ボヤン・ボグダノビッチ(SF)やジェフ・グリーン(SF)など、補強では名より実を取った。さらに、リッキー・ルビオ(フェニックス・サンズ/PG)を放出し、マイク・コンリー(PG)を獲得。司令塔の強化にも成功している。

 また、今夏のワールドカップでアメリカ代表は7位に甘んじたものの、チームUSAのエースとなった3年目のドノバン・ミッチェル(SG)はひと皮むけた印象を受ける。カール・マローン&ジョン・ストックトンの伝説のデュオがチームを牽引し、ジャズが最後にカンファレンスを制したのは1998年。22年ぶりのファイナル進出も視界に入る。

 そのジャズとは対照的に、ギャンブル的な補強をしたのがロケッツではないだろうか。クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー/PG)を放出し、ラッセル・ウエストブルック(PG)を獲得。プレーオフ進出は濃厚だが、ジェームズ・ハーデン(SG)&ウエストブルックのデュオがどんなケミストリーを見せるかによって、チームの明暗はくっきりと分かれそうだ。

「魅惑的なデュオ」という面では、ダラス・マーベリックス(33勝49敗/ウェスタン14位)も負けていない。昨季新人王のルカ・ドンチッチ(SF)と、左ひざ前十字じん帯断裂から復帰する「221cmのオールラウンダー」クリスタプス・ポルジンギス(PF)のユーロ出身デュオの活躍次第では、4シーズンぶりのプレーオフ進出、さらにはその先も見えてくるだろう。

 ちなみに、マーベリックスの一員としてプレシーズンゲーム3試合に出場した馬場雄大(SG)は、マーベリックス傘下のテキサス・レジェンズと契約。今季はGリーグ(※)でプレーしながらNBAを目指すことになった。

※Gリーグ=NBAゲータレードリーグの略称。将来のNBA選手を育成する目的で発足。

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