八村塁はイースタン・カンファレンス
新人王レースに食い込めるのか?

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 一方、昨季のカンファレンス・セミファイナルで第7戦までもつれる熱戦を演じるも、最後はラプターズに敗れた76ersはどうか。

 J・J・レディック(ペリカンズ/SG)やジミー・バトラー(マイアミ・ヒート/SF)といった主力を放出するが、オールスター常連のアル・ホーフォード(C)と伸び盛りのジョシュ・リチャードソン(SG)を獲得。ベンチメンバーの薄さは気になるが、スターターは208cmのベン・シモンズ(PG)、198cmのリチャードソン、206cmのトバイアス・ハリス(SF)、208cmのホーフォード、213cmのジョエル・エンビード(C)と圧巻。平均身長206.6cmのスターター相手に、どのチームも対策に苦労するはずだ。

 この2強を追いかけるのは、セルティックス(49勝33敗/イースタン4位)、ペイサーズ、ブルックリン・ネッツ(42勝40敗/イースタン6位)あたりか。

 セルティックスはカイリー・アービング(ネッツ/PG)を放出し、ケンバ・ウォーカー(PG)を獲得した。カンファレンス上位の戦力を有するが、ホーフォードをライバルの76ersに放出したのは痛い。上位2チームとの差を埋めるには、ジェイソン・テイタム(SF)やジェイレン・ブラウン(SG)といった若手の飛躍が不可欠だ。

 ペイサーズは今オフ、ブログドン、T・J・ウォーレン(SF)、ジェレミー・ラム(SG)といった得点力のある選手を補強し、層の厚さはイースタンで最高クラスとなった。ただ、レギュラーシーズンは安定して勝ち星を伸ばしそうだが、プレーオフをどこまで勝ち抜けるかはビクター・オラディポ(SG)次第。昨季、右ひざの四頭筋腱断裂により戦線離脱したエースが、どのタイミングで復帰するかにかかっている。

 むしろ、セルティックスやペイサーズより注目を高めているのはネッツだ。このオフにはアービングとケビン・デュラント(SF)のみならず、デアンドレ・ジョーダン(C)の獲得にも成功した。

 昨季のファイナルで右アキレス腱を断裂したデュラントは今季全休が濃厚。それでも、得点能力の高いキャリス・ルバート(SG)、アメリカ代表でも活躍したシューターのジョー・ハリス(SG)、守備の要ジャレット・アレン(C)など、戦力は充実している。デュラントが復帰する来季は間違いなく優勝候補の大本命となるが、今季上位シードを獲得しても不思議ではない。

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