八村塁が開幕スタメン濃厚。期待以上の出来とバスケIQの高さも示した (3ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by AP/AFLO

 さらに同試合のディフェンス面でも、NBA13年目のベテラン、アーサン・イリヤソバの"巧さ"に苦しむ場面が散見された。シーズン中はトップレベルのフォワードと連日のようにマッチアップしなければならないため、スキルに翻弄され、パワーで圧倒されることもあるだろう。

 ただ、これらの懸念材料は入団前から指摘されていた部分であり、ウィザーズももちん認識している。八村はアシスタントコーチのデビッド・アトキンスと、連日マンツーマンで練習に取り組んでおり、少しずつ成果が見えてきている。「弱点があるのは、伸びしろが残っていることの証明」と考えられるため、今シーズンにどれだけ改善できるかが楽しみだ。

 ともあれ、ドラフトからサマーリーグ、トレーニングキャンプ、プレシーズン戦と歩んできた八村が、ここまでは周囲の期待どおり、いや、期待以上のプレーをしていることは間違いない。もちろんレギュラーシーズン開幕後が本当の勝負だが、滑り出しは順調だ。

 今後も得点、リバウンド、バスケットボールIQといった長所をいかし、再建状態のチーム内で即戦力となれるのか。ジャンプシュートなど課題を克服し、さらなるポテンシャルを示せるか。日本バスケットボール史上に残る挑戦が、間もなく始まる。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る