16年ぶりのNBAジャパンゲームズ。過去を振り返り、思いを馳せる (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 6度目の2003年には、ラシャード・ルイスの在籍するシアトル・スーパーソニックスと、エルトン・ブランドの率いるクリッパーズが来日。この年のドラフトは、空前絶後の当たり年だった。レブロン・ジェームズ(SF)、ドウェイン・ウェイド、カーメロ・アンソニー(SF)がNBAデビューを果たしたシーズンである。


 そして、16年の空白を経て今年、7度目のジャパンゲームズが開催。10月8日と10日、さいたまスーパーアリーナで「NBA Japan Games 2019 Presented by Rakuten」と銘打って行なわれた。

 今回はプレシーズンゲームということもあり、ベテランや主力選手にとっては調整の色合いが強く、勝敗はさほど大きな意味を持たない。しかし、開幕ロスターに入るか入らないか当落線上の選手にとっては、生き残りを賭けた大事なアピールの場だ。

 NBAは現在、5年連続で100人以上もの外国籍選手が開幕ロスター入りを果たしている。いまやNBAはアメリカトップクラスの実力だけでは足りず、世界トップクラスでなければ生き残ることのできないリーグに進化している。

 だからこそ、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結ぶ渡邊雄太(SF)と、日本にとどまれば最高クラスの待遇と名声を保証されていたにもかかわらず、ダラス・マーベリックスとエキシビット10契約(※)を結んだ馬場雄大(SF)には、惜しみないエールを送りたい。

※エキシビット10契約=開幕前のキャンプ参加を想定した契約形態で、1チーム6選手まで結べる。評価次第で、NBAとGリーグを一定期間行き来できる2ウェイ契約に切り替えることも可能だが、現時点ではマーベリックスが2ウェイ契約を結べるふたりの枠は埋まっている。

 今年のジャパンゲームズに話を戻そう。

 ロケッツと対戦する昨シーズンの覇者トロント・ラプターズは、MIP(最成長選手賞)を獲得したパスカル・シアカム(PF)や、スペイン代表として今夏のワールドカップでも活躍したマルク・ガソル(C)らを擁する。だが、ファイナルMVPを受賞したカワイ・レナードがクリッパーズに移籍したため、王者というよりはチャレンジャーという立場がしっくりくる。

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