前進あるのみ。八村塁がW杯に出たからこそ得ることができた「学び」 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文 text by Konagayoshi Yoko
  • 松岡健三郎●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo

「僕はアンダーカテゴリーから日本代表でプレーしているので、日本の力になるならば絶対に代表でプレーしたい。でも『僕が入ったら勝つ』みたいな雰囲気になるのはおかしいと思う。バスケは一人では勝てないし、日本代表は僕だけのものではなくて、みんなで戦うもの」と発したその思いは、明成高校とゴンザガ大で学んだものだ。どちらのチームも、八村を強力な軸としながらも、チームプレーの中でエースを生かしていた。

 だが今大会の日本は、昨年以上に成長している八村の個の力に頼ってしまい、チーム作りの準備の足りなさを露呈することになった。これからの日本は現役NBA選手が合流する中での環境作りやチーム構築にも対応していかなければならず、八村も日本代表のシーズンまでを含めたコンディション作りを身につけていくことになる。そうした新時代に向かっていくチーム作りの対応を、今回のW杯で、日本代表も、八村自身も学んだのだ。

  八村は、9月末からはトレーニングキャンプに入る。NBAの環境に慣れてチームに貢献することは、八村の目標であるとともに、日本代表に還元できることもある。今回のW杯でNBA選手から認められたからこそ浴びた洗礼を糧にして、これからも前に進んでいくだけだ。

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