バスケW杯で課題が露呈。日本は世界の戦術のトレンドに追いつけるか (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文 text by Konagayoshi Yoko
  • 松岡健三郎●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo

 今回のワールドカップは、日本バスケ界として過去一番の注目を集めた大会となり、多くの人が日本の戦いを目の当たりにすることで、課題を共有することができた。さらには、日本人が勝負できる強みさえ作り切れていないことも露呈された。そうした現在地に気づけた意味では、やはり、ここからがスタートなのだ。

 06年と19年。13年の時を経て、2度のワールドカップに出場した竹内公輔(PF/宇都宮ブレックス)は言った。

「2006年は(優勝した)スペインと戦って、何もできなかったというか、ただ受け身になって負けただけでした。今回は世界一のアメリカと戦って得るものがあった。アメリカは点差が開いても全力で戦ってくれたというか、40分間ディフェンスの圧を感じました。すべてにおいて圧倒されたので、その圧に対して自分たちが慣れていくことを順位決定戦でやっていきたい」

 日本は順位決定戦に回ったが、エースの八村は膝の痛みと疲労を抱えていることで、順位決定戦を欠場することが日本協会とワシントン・ウィザーズから発表された。残り2試合の順位決定戦では、日本に不足していたディフェンスの絞りどころを突き詰めることと、オフェンスの選択肢の幅を広げること、そして竹内が言ったように、世界一のチームから受けた圧力を忘れずに、ライバルに屈しない戦いを求めたい。

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