元マイクロソフトCEOのオーナーが歓喜。クリッパーズが2大スター獲得 (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 前オーナーのドナルド・スターリングがケチで有名だったのとは対照的に、マイクロソフトCEOとして財を成したバルマーは必要な箇所にどんどん投資していく。チームの組織だけではない。ホームアリーナも、現在レイカーズと共有で使っているステープルズセンターを離れ、5年後をめどにロサンゼルス近郊のイングルウッドに建築予定の専用アリーナに移転することを発表している。

 すべては、選手が契約したくなるような環境づくりだ。そしてその成果が、レナードのFA契約であり、トレードでのジョージ獲得だった。

 クリッパーズを選んだ理由を、レナードは次のように語った。

「ドク(・リバース)がヘッドコーチということも大事だった。優勝経験のあるコーチのもとでやりたかった。また、フロントオフィスの人たちも、勝ちたい(優勝したい)と思っている。(クリッパーズは)まだ一度も、ファイナルで勝ったことも、ファイナルに行ったこともない。チームを選ぶにあたって、そのことがとてもワクワクした。自分たちの歴史を作る機会だ」

 クリッパーズがレイカーズの影に隠れていることについて聞かれると、レナードは言った。

「長い間、何度も優勝してきたロサンゼルス・レイカーズだから、彼らには注目が集まる。でもこの数年は、クリッパーズのほうが成績はいい。僕らが優勝したとしても、どれだけ露出が変わっていくのかはわからない。でも、僕はとにかく勝ちたい。もし優勝して、メディアの露出がまったくなかったとしても、僕はそれで満足だ」

 ジョージも言う。

「レイカーズはレイカーズ。僕らは自分たちのアイデンティティがあるし、別のものを追いかけている。LA対決ではなく、もっと大きな目標を成し遂げたいと思っている」

 ジョージは「LA対決ではない」と言うが、ロサンゼルスにいる限り、クリッパーズにとってレイカーズとの比較は避けられない。

 記者会見が終わると、舞台上で記念撮影の準備が始まり、レナードとジョージがそれぞれクリッパーズの新ユニフォームを持ち、オーナーのスティーブ・バルマー、GMのローレンス・フランク、ヘッドコーチのドク・リバースとともに並んだ。

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