八村塁への頼りすぎは禁物。「相手もバカじゃない」から課題が見えた (3ページ目)

  • 栗原正夫●取材・文 text by Kurihara Masao
  • 松岡健三郎●写真 photo by Matsuoka Kenzaburo

 一方、ファジーカスは3人でのプレーをこう振り返った。

「3人で練習したのはまだ1度だけ。それを考えると、まだまだ練習が足りない。時間はあまりないが、しっかり練習すれば連係はもっとよくなる。ケガで出遅れた雄太は、とくに攻撃面で焦りが見えたが、もう少しリラックスすれば得点は増えるはず」

 八村を生かすためにも、攻守で軸になるビック3がどう互いのよさを引き出せるかが、今後のポイントになるだろう。

 他の選手より約10日遅れで、7月31日にチームに合流してから約2週間が経過した八村。コンディションについては「湿気もあって暑いが、水分をしっかり取っているし悪くない。このままキープしていければ」と話し、残りW杯までの3つの強化試合(22日・対アルゼンチン、24日・対ドイツ、25日・対チュニジア)で「チームとして集中してやるだけ」と気を引き締めた。

 年齢ではチームでいちばん下になるが、W杯に向けては力強くこう抱負を語った。

「国際大会やアメリカでの経験は先輩たちに負けていない。プレー面ではチームを引っ張っていきたいし、オフェンス、ディフェンスの両面でインパクトを与えたいと思っています」

 八村効果はすでにチケット販売やテレビ放映(強化試合すべてが放映される)などに大きな影響を与えているが、コート内での過度な依存は逆にチームを苦しくする。大切なのは周囲とのバランスで、それこそがW杯での成否を決めるカギと言えそうだ。

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