来日したステフィン・カリーが八村塁に太鼓判。「次世代の指標」 (2ページ目)

  • 栗田シメイ●取材・文 text by Kurita Shimei

「アメリカだと、とくにバスケについていろんな人がいろんなことを言う。ケガも含めたさまざまな障害が目の前に立ちはだかると思うが、そんな雑音に邪魔されずに、とにかく『自分がうまくなる』ということにフォーカスしてほしい。上を目指すなら、自分の武器やプレースタイルを持ち、時にはエゴも必要。自分の中でどんどんチェレンジを課していくべきだ」

カリーとワークアウトを行なった富永(左)と三谷(右)photo by Kurita Shimeiカリーとワークアウトを行なった富永(左)と三谷(右)photo by Kurita Shimei ほかにも多くのアドバイスをもらった富永は、「カリー選手のように日々努力して一歩一歩上達し、最終的にはNBA選手になれたらと思います」と、決意を新たにした。

 さらに翌6月23日、カリーは「Underrated Tour, powered by Rakuten」が行なわれた都内の大学に姿を現した。カリーが高校生に指導することを目的とした同ツアーは、今年1月中旬から3月下旬にかけてアメリカで7回実施され、今回はアメリカ以外の国で初の開催。ツアー名になっている「Underrated(過少評価)」は、カリー自身が強豪大学に進めなかった経験から名づけられた。

 カリーは、コーチ陣と共に自らも指導を行なった30人の高校生の印象ついて、「本当に集中して一生懸命練習してくれたし、身体能力も非常に高い」と述べ、次のようにエールを送った。

「自分に自信を持つことは非常に大事。『お前にはこんなことできないよ』とか『お前はここにいるべきではない』といったことを誰にも言われるべきではないんだ。背が高いか低いかに関わらず、たとえば『僕は速いから』といったポジティブな考えを持ち、常にそのメンタルを重要な部分だと思ってやってきた。しっかりと準備することで、さまざまなことを乗り越えられる」

 さらに、近年のNBAにおいて選手に求められることについて、「プレーの展開が圧倒的に早くなり、スリーポイントシュートを狙う機会も多くなっているのは間違いない。よりオールラウンドな要素が求められるようになり、分析を含めた準備も大切になってきているね」と話した。

 そんなNBAの世界に、今年のドラフトで日本人初となる1巡目(全体9位)でワシントン・ウィザーズからの指名を受けた八村塁が足を踏み入れた。八村のプレーをチェックしたというカリーは、その将来性に太鼓判を押す。

「ルイ(八村)のプレーはバスケットIQの高さが印象に残っており、リング周辺ではソフトなタッチを持っている。彼の(オールラウンドな)スタイルは現代のNBAにマッチしていると言える。サイズも大きいし、大きなポテンシャルを秘めているね。あとはNBAのプレッシャーの中で自分をいかに出せるかが重要となるが、伸びしろも大きいし彼の将来を楽しみにしている」

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