2019.05.12

東京がBリーグ連覇。
勝敗を分けた残り19秒のワンプレー

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 最終スコア71−67。熱戦をモノにした東京がBリーグ史上初の連覇を達成した。

 Bリーグの前身であるNBL時代にトヨタ自動車アルバルクでプレーし、今年2月まで東京の普及マネージャー兼アカデミーコーチを務めた渡邉拓馬は、東京の勝因をこう語る。

「昨年の優勝経験で、ファイナルの勝ち方を知っていることが大きな自信になっていたはず。そして、その自信を裏付けたのが、リーグ屈指の日々のタフな練習です。

 シーズン中、なかなかチーム力が上向かず、負けが込むこともあり、もがきながら落ちるところまで落ちました。それでも、目先の勝利のために小手先の戦術変更は行なわなかった。自分たちのスタイルを見失わず、シーズンを通してブレない強さが、今季の東京にはありました」

 ただ、東京は連覇を達成したことで絶対王者となったわけではない。前述のとおり、レギュラーシーズンは千葉に1勝5敗と大きく負け越し、天皇杯を制したのも千葉だ。さらに、セミファイナルで千葉に敗れた栃木は、大黒柱のライアン・ロシター(PF/C)が右腓骨骨挫傷のため2ゲーム目を欠場していた。ロシターが健在なら、千葉と同等の力があったはずだ。

 また、日本代表としても活躍するニック・ファジーカス(C)率いる川崎ブレイブサンダースも強敵であることに変わりはない。川崎は2011年からチームを指揮した北卓也ヘッドコーチが今季限りで退任。来季はまったく違ったスタイルに生まれ変わるだろう。

 王座から東京を引きずり降ろそうと、多くのチームが虎視眈々と爪を研いでいる。今季以上に「打倒アルバルク」の色合いが強くなる来季、東京が悠長に構える余裕などない。

 東京も来季は、何人かのメンバー変更があるだろう。12得点12リバウンドの活躍でチャンピオンシップMVPを獲得した馬場は、海外挑戦の噂も根強い。ファイナル後、「もはや日本でやり残したことはないのでは?」と聞くと、突き抜けるような笑顔で「まだまだです!」と馬場は答えた。果たして来季、馬場は何色のユニフォームを着てプレーしているのか。