本場を知るBリーガーも驚く才能。渡邊と八村が海外で活躍できる理由 (3ページ目)

――そんなアメリカ、世界の最高峰リーグであるNBAのドラフトで、ゴンザガ大の主力として活躍する八村選手が指名されるのでは、という報道もありますが。

田渡 八村選手とも連絡を取り合っているんですが、言葉の端々から「アメリカに慣れてきたんだな」というのがわかります。渡米からの3年でメンタル面がすごく強化されている。どこでプレーするにしても"慣れ"は大事で、彼も自分の力を最大限に生かす方法がわかってきたから、今の結果につながっているんじゃないかと思います。

比留木 技術面も向上しましたよね。自分と同じような身体能力を持つ選手に対峙した時に相手を上回るための、ドリブルハンドワークやシュート力などが確実にアップしたと思います。また、コーチ陣のコメントを見ると、彼の人間性が高く評価されているのがわかります。言語にしても、彼はもともと英語が話せなかったんですが、今はすごく上達している。彼の前に進もうとする姿勢、何かを吸収しようとする貪欲さも、彼の優れた能力のひとつです。

――先ほど比留木選手がおっしゃっていたように、これから日本のバスケットボールがさらに注目されると思いますが、おふたりの今後の目標は?

比留木 僕は、プロのキャリアをスタートした当初にアメリカの大学に2年間いましたが、基本はずっと日本でプレーをしていました。そんななかで、ずっと日本のスポーツ界に対して"違和感"を抱いてきたんです。プロフェッショナリズム、観る文化、地域との結びつきといったところが、やはり欧米に比べると物足りないと感じます。

 僕は5人制の日本代表に入れるような選手ではないんですが、それ以外の、たとえばチームのGMを務めているといった他の選手が持っていない部分も生かして、どうバスケットボールに貢献できるかを考えていきたいです。常に面白いことを発信し、どのようにバイアスを取り除いていくのか。バスケットボールだけでなく、スポーツ界に何か影響を与えられるよう、これからのキャリアを歩んでいきたいです。

田渡 僕は日本代表に入るために、2年前に日本に戻ってきました。現在所属する横浜ビー・コルセアーズはBリーグの強豪とは言えませんが、そういうチームだからこそ、自分の力でどれだけ勝利をたぐり寄せられるのかを試したかった。それが今はうまくいっていないんですけど、試合で自分のやるべきことをやるための準備は万全に行なっています。それを継続しながら成長を続け、思い描く最高の選手に近づけるよう頑張ります。

2月18日のイベントにゲスト出演した比留木(左から1番目)と田渡(右から2番目) 「提供:Rakuten TV」2月18日のイベントにゲスト出演した比留木(左から1番目)と田渡(右から2番目) 「提供:Rakuten TV」■比留木 謙司(ひるき・けんじ)

1985年7月19日生まれ。東京都出身。196cm・94kg。八王子高校を卒業後、1年間ストリートバスケットボールチームに所属。その後、米サンディエゴ・シティ・カレッジに進学し、2008年に帰国。現在は富山グラウジーズに所属しながら、Bリーグ参入を目指すトライフープ岡山のGMも務める。東京五輪の正式種目となった「3×3バスケ」の日本代表としても活躍するなど、幅広く競技に携わっている。

■田渡 凌(たわたり・りょう)

1993年6月29日生まれ。東京都出身。180cm・80kg。兄の敏信、修人もBリーグで活躍する、3兄弟の三男。京北高等学校を卒業後、オローニ短大、NCAA2部のドミニカン大学カリフォルニア校でキャプテンを務めた。2017年に帰国後、横浜ビー・コルセアーズと契約し、主力選手としてチームをけん引している。

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