竹内譲次は2006年の後悔を糧に進化中。「W杯が日本バスケの分岐点」 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

――1年以上かけた予選をとおして、日本が成長している点は。

 4連敗していた時は先が見えず、真っ暗なトンネルの中にいるようでした。ただ、オーストラリアに歴史的な1勝をあげたことから6連勝につながり、自力で出場権を勝ち取れるところまできました。一番の要因は渡邊雄太や八村塁の若い力、すばらしい選手であるニック・ファジーカスの加入が間違いなくあります。彼らは個で打開できる力があり、僕らに刺激を与えてくれました。また、時間をかけて日本代表のディフェンスシステムを構築できていることが、チームの成長につながったと感じます。

――イラン、カタールとはアウェーでどのように戦いますか。

 彼らはホームで負けられないので大勢のファンで埋まるだろうし、日本も総戦力で戦います。前回勝ったことに慢心せず、新しいチームと対戦すると思って臨みたい。カタールはWindow5(11月に日本ホーム)で戦ったときは前半に苦しめられました。後半に突き離せたけど、アウェーだと前半のつまずきは命取りになるので前半から積極的にいきたい。中東での試合なので、食事やコンディションの面で管理することが大切になります。

――竹内選手は以前、「ワールドカップに出場できるかどうかが、日本のバスケット界の分岐点になる」と言っていました。最終決戦への決意を聞かせてください。

 ワールドカップの出場権を自力で獲得することで、オリンピックの開催国枠()につながるとも耳にしています。オリンピックに出る、出ないの差は誰が見ても大きい。今は日本の未来と、海外に出ている頼もしい若い選手の未来が日本のバスケットボール界のモチベーションになっているのではないかと思います。そういう意味でも、絶対に出場権を取って未来につなげることが大事です。ラマスHCには「重要な戦いであると同時に、後悔しない戦いをしよう」と言われて、自分もそうだと思っています。自力でつかめるこのチャンスを生かし、悔いの残らない2試合にしてきます。

※東京五輪の開催国枠はまだ保障されておらず、国際バスケットボール連盟からは世界で戦える力を示すことを求められている状況

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