2019.02.19

折茂武彦が日本バスケ界に提言
「目先の結果だけでなく若手育成も重要」

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

――以前の日本は強化に継続性がなかったことで、98年と2006年以外はワールドカップにもオリンピックにも出場できていません。ただ2006年に関しては、ジェリコ・パブリセヴィッチHC(ヘッドコーチ)のもと、4年かけて若手を強化と海外遠征を行い、これまでにない強化を図りました。決勝トーナメントには進出できませんでしたが、2006年も同じ感想でしたか?

 2006年は98年と違った手応えもありました。通用しないことも多かったし、決して結果には満足していないけれど、少しは世界の強豪に近づける可能性は見えたんじゃないかと思います。それは、自分がジェリコに呼ばれて代表に復帰したということもあり、多少なりとも国際大会への考え方やメンタルの持っていき方に経験があった。強化の力の入れ方も98年とは違ったので、一丸となって戦えた手応えはありました。ただ、やはり世界との差は大きかったです。

――世界との差はどこに感じたのでしょうか。

 言ってしまえば、それまで僕らの世代がやってきたことで、世界に通用するものは間違いなくありませんでした。2006年には2メートルを超えて動ける竹内兄弟(現在・公輔=栃木ブレックス、譲次=アルバルク東京)のような選手が出てきて希望が出てきたけれど、世界選手権が終わったときに感じたのは、「このメンバーが世界と対等に戦えるようになるのは難しいし、自分に至ってはもう間に合わない。けれどこの強化を続ければ、将来はしっかりと戦えるようになるかもしれない」ということでした。だからこそ、これからの日本がやるべきことは普及と育成、強化なんです。特に育成については、時間をかけてやらなければ世界との差は埋まりません。

――育成について、具体的な考えを聞かせていただけますか。

 組織ぐるみで時間をかけてやっていくことに尽きます。日本代表だけを強化しても間に合わないことを、僕は世界選手権に出て痛感しました。今、BリーグではU15世代を強化して上につなげようとユースチームを作ったところですが、育成は日本協会、Bリーグ、都道府県協会、学校も含めて組織が一丸となって、やっていかなければなりません。僕はレバンガのU15ユースのトライアウトも見ていますが、彼らは僕が中学生の頃に比べてはるかにうまいです。可能性しかありません。これからどう化けるかわからない子どもたちを、大人がつぶしちゃダメですよ。今から育成をすれば、将来への期待が見えてきます。