名門レイカーズの誤算。トレード・デッドライン後、雲行きは怪しい (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 一方、効果的なトレードでチーム力を着実に上向かせたのは、ウェスタン5位のヒューストン・ロケッツだろう。ディフェンス能力が高く、ロングレンジからのシュートも得意なイマン・シャンパート(SG)の獲得は、ジェームズ・ハーデン(SG)中心のロケッツのオフェンスにピッタリとフィットしそうだ。

 今季のロケッツは優勝候補とされながらも、スタートダッシュにまさかの失敗。チームにフィットしきれないカーメロ・アンソニーを早々と退団させるなど、迷走しているように思えた。

 しかし、クリス・ポール(PG)が故障したタイミングでオースティン・リバース(PG)を補強し、クリント・カペラ(C)が負傷で欠場を強いられたタイミングでケネス・ファリード(PF)を補強するなど、的確な動きでチームの立て直しに成功。カペラも復帰間近で選手層の厚くなってきたロケッツがどこまで順位を上げてくるか、プレーオフまで注目したい。

 そして今回のトレード・デッドラインを経て、来季以降に大きな可能性を秘めたチームと生まれ変わったのが、ウェスタン11位のダラス・マーベリックスだ。

 今季のマブスは、ルーキーのルカ・ドンチッチ(SF)が予想を上回る活躍でいきなり大ブレイク。今後はドンチッチを中心にチームを作ろうと決意したようだ。

 デアンドレ・ジョーダン(C)、ウェズリー・マシューズ(SG)、デニス・スミス・ジュニア(PG)、さらには将来のドラフト1巡目指名権2枠と引き換えに、ニューヨーク・ニックスからクリスタプス・ポルジンギス(PF)と3選手を獲得(マシューズはトレード後にニックスを解雇されてインディアナ・ペイサーズと契約)。また、ドンチッチ以前のエースだったハリソン・バーンズ(SF)も放出し、メンツを一新させた。

 ポルジンギスは現在、断裂した左ひざ前十字じん帯の治療中で、今季はこのまま全休する可能性が高い。だが、身長221cmの長身ながらスリーポイントシュートも打てる、リーグ期待のビッグマンが万全の状態でコートに復帰できれば、「ドンチッチ&ポルジンギス」という無限の可能性を秘めたデュオが完成する。

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