日本のエースが海外挑戦から5カ月で帰国。比江島慎「後悔してない」 (2ページ目)

  • 加藤洋●取材・文・撮影 text & photo by Kato Hiroshi/ Brisbane Bullets/ NBL

 また、ワールドカップや東京オリンピックの開催が決まったことで、そこまでにピークを持っていきたいとも感じました。オーストラリアがアジア枠に加わってくれたおかげで、ワールドカップ予選で世界のレベルと戦うことができるようになった。そこでは、通用した部分もあるし、しなかった部分もある。そういった経緯もあったので、世界を見てみたいと思って海外移籍を考えるようになりました。

―― もともと海外やNBAが好きでした?

比江島 海外が好き、ということはないです。日本が一番好きです。ただ、海外が好きというよりは、成功するために海外でやってみたいとは考えていました。もちろん、NBAは好きですよ。

―― なぜ、オーストラリアを選んだのですか?

比江島 オーストラリアリーグにはアジア選手枠があるのを耳にしたので、自分も契約してもらえるんじゃないかという考えがありました。どこの国でも全然よかったんですけど、ワールドカップ予選で対戦したというのも大きいですし、契約できる可能性が一番高いと感じたので、そういった経緯からオーストラリアを選びました。

―― 契約に至るまでの経緯を教えてもらえますか?

比江島 2017年11月にワールドカップ・アジア地区1次予選をオーストラリアのホームでやった後、母に「オーストラリアに行ってみたい。アジア人枠があるらしいから」と伝えたら、いろんな人に聞いたり調べてくれたりして、オーストラリアへの道を切り開いてくれました。また、後押ししてくれる人たちの協力もあり、契約できることになりました。

―― オーストラリアに来てみて、日本とのバスケの違いはどうでした?

比江島 ほぼ全部、違っていましたね。個人のスキルや運動能力、シュート精度、フィジカルなどはもちろん日本より上なんですが、それらに頼らずしっかりとチームバスケットもします。いろいろな細かい決まりごとがありますし、組織的なバスケをするので、最初に来た時には慣れるまでに時間がかかりました。

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