セルティックスの大黒柱アービングは、レブロン抜きでも勝てるのか? (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 今後チームが向上していくためのポイントはどこにあるのか。カギを握っているのは、やはり大黒柱であるアービングのコート内外の働きだろう。

「みんなが快適にプレーできるように留意したい。彼らの成功が自分の成功と同様に大事だから、辛抱強くやっていきたい」

 バックス戦直後のミーティング時、アービングは自身のリーダーシップの向上を誓った。リーグ屈指の得点力を誇るアービングだが、実際にリーダーとしての統率力はまだ証明されていない。

 一昨年オフ、アービングがそれまで3年連続でファイナル進出していたキャバリアーズからトレード志願したのは、レブロン・ジェームズのいない環境でもチームを頂点に導けることを示すためだった。そのためには、エースとして得点を稼ぐ以外にも多くのものが必要になる。

「よりバランスのいいプレーをすることが僕にとってのチャレンジになる。僕はコート上でやろうと思えば何でもできるけど、チームメイトの成功のために何ができるかも大事。その点も意識しておかなければいけない」

 アービングのそんな言葉からは、正直、多少の傲慢さも感じられた。メディアの前で厳しい言葉を残すのはいいが、同時に自身の姿勢、態度でも示さねば逆効果になりかねない。21日の緊急ミーティング以降、セルティックスはシャーロット・ホーネッツ、フィラデルフィア・76ersに2連勝と、いい方向に向かっているように見える。今後も継続してチームを勝利に導けるかどうか、これから先の戦いで26歳の司令塔の真価が問われてくるのだろう。
 
 アービングはレブロン抜きでも勝てるのか。チームリーダーとしての力量を証明できるのか。バックス戦後の緊急ミーティングはセルティックスにポジティブに働くのか。東の本命は前評判どおりの強さをこれから発揮できるのか。

 それらの問いの答えは現状ではわからない。しかし不確定要素が多い分、セルティックスの今後には興味がそそられる。これから先の約半年間は、ボストンのファンにとって実にスリリングな時間になりそうだ。

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