100年にひとりの逸材。レアル・マドリードから来たNBAの新人は何者? (2ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 2018年のドラフトでは、全体3位でアトランタ・ホークスから指名。その後、ドラフト当日のトレードで交渉権を手にしたマーベリックスに入団している。

 シーズン開幕前は期待されつつも、同時に「身体能力不足で苦戦するのでは?」とも囁かれていた。ちなみに、ノビツキーもNBA1年目は、「パワー不足からディフェンスができない」と酷評されていた。

 だが、ドンチッチはその評価が正しくないことを、シーズン開幕と同時に証明した。

 現在、ドンチッチの成績はチームトップ、さらには全ルーキートップとなる1試合平均19.0得点をマーク。また、得点だけでなく平均6.6リバウンド・4.9アシストと、万能ぶりも証明している。

 12月16日のサクラメント・キングス戦で28得点を記録したドンチッチについて、キングスのデイビッド・イェーガー・ヘッドコーチは、「ドラフト前は彼の能力について懐疑的な意見があった。それは我々にとって不運だった」と、ドラフト2位指名権を持ちながらドンチッチを指名しなかったことを後悔するようなコメントを残している。

 また、手厳しいコメントが多いウォリアーズのドレイモンド・グリーン(PF)も、マーベリックスとの試合後、「彼はすごくうまい。すでに厄介な存在だが、これからさらに厄介になるだろう」とコメント。さらに「スペインの至宝」と呼ばれるリッキー・ルビオ(ユタ・ジャズ/PG)も、「彼は特別な選手だ。過度な期待が生まれるのを避けたいから、あまり言いたくはないが、史上最高の欧州出身選手になれる」と絶賛している。

 ドンチッチの現在のキャリアハイは、12月20日のロサンゼルス・クリッパーズ戦で記録した32得点。しかし、彼は記録以上に記憶に残る、スター性を帯びた選手だ。

 たとえば、12月8日のヒューストン・ロケッツ戦。この試合、ドンチッチは試合残り3分まで10得点に抑え込まれて精彩を欠いていた。

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