4連敗→6連勝。ウイング3人の
成長が日本バスケの可能性を広げる

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayoshi Yoko

 それよりも「1番(PG)でも2番(SG)でも、状況に応じて判断のいいプレーをすることが大切」と、代表における役割がつかめてきたところだ。それこそが、アルバルクでやることと同様、田中に求められている良さなのだろう。

 ここまでの戦いを終えてラマスHCは、「比江島も田中もPGをやる能力が十分あるし、試合の中で数分PGとして起用する可能性を探っているところ。今は様々な可能性を広げていきたいし、日本のスタイルを構築しているところだ」と現状を評する。

 ここまでの日本は、5回の予選を通じてラマスHCが日本人選手の特性を知るところから始まり、個々の能力を引き出しながら、ようやく各自が役割を見つけるところまで来た。

 Window5を終えて比江島は「雄太と塁がいてもいなくても、いろんな組み合わせの中で勝てる自信がついてきて、勝ち方がわかってきた」と語っている。ウイング3人のステップアップに今後はファジーカス、渡邊、八村が融合することで、さらなる高みを目指せる可能性が見えてきた。まだ完全体ではないところに、成長していく面白さもある。最終決戦となる来年2月末のWindow6でも個々のレベルアップを求めたい。その成長こそが世界への扉を開き、ワールドカップ本戦へとつながる。

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