動画のダンスもチーム内で好評。
渡邊雄太はNBAデビューに準備万端

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

――カレッジとNBAで最も大きな違いを感じるのはどの点ですか? 

「うーん、言ってしまえば本当に全部が違うので......カレッジの中の本当に上の選手だけしかここには来られないですからね。プレーのレベル、試合中の賢さ、身体の強さ、そのすべてにおいてカレッジとはレベルが違うなと感じます」

――ジョージ・ワシントン大時代から何度も聞いてきたことですが、現時点での課題は?

「今まではガードとマッチアップすることが多かったのであまり気にしていなかったんですけど、現在はパワーフォワード(PF)で出ることが多いんですが、PFではゴール周辺でボックスアウト(リバウンドを取るための好位置を保つために、相手をブロックすること)をやり切れていない。ボックスアウトを試みても、結局は後ろから押されてリバウンドを取り損ねてしまうことが何回もありました。そこはしっかり相手を抑え、リバウンドを取れるようにしないといけないと思っています」

――コーチから言われている役割は?

「実は、今の段階で役割は何も言われていないんです。でも自分としては、短い時間の中でもとにかくオフェンス、ディフェンスを一生懸命やる。速攻になったら先頭を走り、あとはディフェンスである程度抑えられるということをアピールしていきたい。試合中、主力選手を休ませなければいけない時間帯で、5分でも『ユウタを出しておこう』という考え方を(コーチ陣に)持ってもらえれば、自分としては成功かなと。まずはそういう役割をもらえるようにしなければいけません」

――ペイサーズ戦で活躍したことで、日本のファンも「早くNBAでプレーしているのが見たい」と期待を高めていると思います。開幕ベンチ入りに対するこだわりは渡邊選手の中にもあるのでしょうか?

「当然、入れたら入りたいです。ただ、ここまでチーム内に大きなケガ人も出ていないですし、(プレシーズンゲームの)残り2試合で活躍したとしても、今の段階でロースターの15人を差し置いて僕を入れようということにはならないと思っています。だから、そこだけにこだわってはいません。チャンスはシーズン中に必ずあると思うので、そのときに向けてしっかりと準備しなければいけないな、という感じです」

――焦らないで長い目でやっていきたい、というところでしょうか。

「そうですね、プレシーズンが終わったらGリーグ(マイナーリーグ)もすぐに始まります。そっちはそっちでしっかりと活躍して、アピールしていかなければいけません」

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