王者ウォリアーズ「史上最強説」。さらなる補強で3連覇へまっしぐら (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 どこからもオファーは来ないことに業を煮やしたカズンズは、自らエージェントに「ウォリアーズに連絡を入れてくれ」と提言したという。結果、1年530万ドル(約5億9000万円)という格安な年棒でカズンズはウォリアーズの一員となった。

 カズンズが復帰を果たせば、ウォリアーズのスターターは、ステファン・カリー(PG)、クレイ・トンプソン(SG)、ケビン・デュラント(SF)、ドレイモンド・グリーン(PF)、そしてカズンズと、まるで「チームUSA」のようなラインナップとなる。カズンズがフィットするかどうかは別問題として、顔ぶれだけを見れば「NBA史上最強」と言っても大げさではないだろう。

 他のチームで今季、ウェスタンでプレーオフ争いに食い込んできそうなのは、昨季最優秀守備選手のルディ・ゴベール(C)を軸に2季連続でリーグ最少失点のユタ・ジャズ、ポール・ジョージが残留したサンダー、カール=アンソニー・タウンズ(C)とアンドリュー・ウィギンズ(SF)の次世代スターを擁するウルブズなどが注目だろう。

 それらとは対照的に、崖っぷちの状況に立たされているのがサンアントニオ・スパーズだ。21年連続でプレーオフ進出中の常勝軍団は、36歳となったトニー・パーカー(PG)がシャーロット・ホーネッツへ、カワイ・レナード(SF)とダニー・グリーン(SG)がトロント・ラプターズへ移籍。そして41歳となったマヌ・ジノビリ(SG)もついに引退した。

 オールスター選手のデマー・デローザン(SG)こそ加えたものの、期待の若手ディジョンテ・マリー(PG)がプレシーズンゲームで右ひざ前十字じん帯を断裂。今季の出場が絶望的となった。来年春のプレーオフは約四半世紀ぶりにスパーズ不在となる可能性が高まりつつある。

 最後に、粒ぞろいなルーキーたちも紹介しておきたい。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る