東京五輪のラストピースは彼らだ。3人のBリーガーに覚醒の予感 (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 そして、並里もまた、日本代表に大きな変化をもたらす可能性を秘めたPGである。

 日本人選手屈指の技術と身体能力があることは、疑う余地がない。昨季の1試合平均のアシスト数7.4は、宇都の7.7に次いで全体2位。1試合16アシストというリーグ記録も保持しており、爆発力は宇都以上とも言えるだろう。また、昨季平均12.2得点と得点能力も申し分ない。

 これまでの並里の課題は、PGとしてのゲームメイクだった。昨季、所属していた滋賀レイクスターズはレギュラーシーズン最終戦でB1残留を決めているように、戦力不足は否めず、並里がワンマンプレーに走らざる得ないシーンも多かった。

 そんな並里が、出身地でもある沖縄を本拠地とする琉球ゴールデンキングスに3年ぶりに復帰。琉球の戦力は充実している。さらに琉球は、シーホース三河からPGの橋本竜馬も獲得した。橋本は自ら得点するよりもゲームをコントロールする能力に長けた選手だ。橋本とプレーすることで、並里が覚醒する可能性は非常に高い。

「ファンタジスタ」と呼ばれ、多くのファンが代表での活躍を期待してやまない並里。今季の変化と成長から目が離せない。

 そして最後に、ベテランながら金丸晃輔の覚醒にも期待したい。

 新生日本代表は、帰化した210cmのニック・ファジーカス(C/川崎ブレイブサンダース)、204cmの八村塁(PF/ゴンザガ大)、206cmの渡邊雄太(SF/メンフィス・グリズリーズ)の出現によって、アジアでは高さで見劣りすることなく、同時にこの3選手が絶対的な得点源にもなった。

 しかし、世界大会となれば、上記3選手も高さでは平均以下となる。3人のうちの誰かにボールを託し、1on1で得点を狙うというスタイルにも限界があるだろう。

 では、3人が抑えられた場合、誰が得点を獲るのか? 現在の代表には辻直人(SG/川崎ブレイブサンダース)がシューターとして君臨しているものの、やはり日本最高のシューター金丸に託したくなる。これまで金丸はケガなどで辞退し、代表には縁がなかったものの、多くのファンが日の丸を背負ってプレーしてほしいと思う選手の代表格だろう。

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