渡邊雄太と八村塁が挑んだ11日間。2人の融合で崖っぷちから前進 (4ページ目)

  • 小永吉陽子●取材・文・写真 text&photo by Konagayosi Yoko

 八村はWindow4ではジャンプシュートを的確に決め、2試合ともに得点リーダーとなった。とくにターンアラウンドからのフェイダウェイシュートは落とす気がしないほど確率が高くなっており、「夏の間、相当打ち込みをしてきました」と自信を持つシュートになった。

 また、日本代表はキャプテン2人体制を取っているが、Window4では篠山竜青とともに最年少の八村がキャプテンに指名されている。そのことについて本人は「キャプテンといっても、僕がすることは、スタメンとして試合に出るのでゲームキャプテンとして審判に挨拶をするくらい。先輩たちがいい人たちばかりなので、コミュニケーションを取りやすい環境を作ってくれました」と答えるが、コートに入れば、誰よりも積極性を出してリーダーになる役割を果たした。

 冒頭の言葉は、ただの意気込みだけではない。「アメリカという高いレベルでやっている選手たちが引っ張っていくことで日本はもっと成長するし、僕らも成長できる」(渡邊)という覚悟の現れだった。最後に2人はこのようなメッセージを残して激闘の翌日、再びアメリカへと旅立っていった。

「僕自身、この2試合で日本代表の役割を果たしたという点ではすごく成長できたと思う。グリズリーズでもこうした努力を毎日続けていき、自分がNBAでもやれることをアピールする年にします」(渡邊)

「ゴンザガのコーチたちもワールドカップ予選のような大きな大会を経験することが、僕の成長につながると言って送り出してくれました。今回、日本代表のリーダーになろうとやったことで、3年生となるゴンザガでも中心選手として戦える自信になりました」(八村)

 次なる予選は、ホーム連戦で迎える11月下旬のWindow5のカタールとカザフスタン戦。シーズン中であるために2人のエースは参戦できない可能性が高いが、今度はアメリカ組がもたらした積極性を国内組の選手たちが発揮する番だ。

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