不祥事発覚の男子バスケ。残された人たちはいかに戦い、どう思ったか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 最後のインドネシア戦後のミーティングでは、「みんな、お疲れさま」と、まずは互いを労ったという。太田が続ける。

「大変なこともあったんですけど、周りの人たちから手助けしてもらい、日本国民のみなさんから応援してもらって、そのなかでチームのメンバー、スタッフが一緒になって戦えたことはうれしかったし、お礼を言いたいと思います」

 インドネシア戦は、序盤こそ地元の大声援を味方につける相手にリードを許したものの、離されることなく食らいつき、第1クウォーターのうちに逆転。その後はじわじわと差を広げて振り切った。

 マンドーレ・ヘッドコーチ代行は、「いい結果で終わったことがすごくうれしい」と、最終戦の勝利に笑顔。「もし12人だったら間違いなくメダルを獲得できただろう」と悔しさをにじませながらも、「8人になったことを言い訳にせず、この結果を出したことをうれしく思っている。こうやって選手たちがどんどん成長していることは、日本バスケット界にとってすごくいいニュースだと思います」。

 そう言って、最後まで必死で戦った8人の選手を称えると、追放処分を受けた4人の選手についても、「チームに残ってほしい気持ちもあった」と複雑な胸の内を明かし、彼らへの期待の言葉も口にした。

「間違ったことはしっかり償って、今回はチャンスを逃してしまったが、これからも成長していってほしい。いつか代表に戻ってほしい4人なので、これからも努力を続けてほしいと思います」

"8人の勇者たちの戦い"は、大きな拍手のなかで幕を閉じた。その一方で、"4人の愚か者たちの戦い"はこれから始まる。長く厳しい戦いになるはずである。

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