失意のレブロンが引き金に。超大型移籍で来季のNBAは激変するか? (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 それを考慮した上で、次の職場はどこが有力なのか。候補に挙げられることが多いのが、フィラデルフィア・76ers、ヒューストン・ロケッツ、ロサンゼルス・レイカーズの3チームである。

 チームの将来性を考えたとき、最も理にかなうのは76ersだろう。ジョエル・エンビード、ベン・シモンズというスーパースター候補を軸に、今季はプレーオフでイースタン・カンファレンスのセミファイナルに進む大健闘。加えて、今年度のドラフト指名権、大きな補強が可能なキャップスペースも持っている。この76ersに飛び込めば、個人で継続してきた8年連続ファイナル進出という記録の更新が見えてくる。

 一部の関係者の間では、「レブロンがよりハイレベルなウェスタン・カンファレンスに属するチームに行くことはない」という説が長く囁かれてきた。ウェストに行った場合にはシーズン中にさらに消耗し、ファイナル進出記録の継続も容易ではなくなるからだ。

 ただ、レブロンがウェスタン行きも考慮していると仮定した場合、ロケッツも有力な候補となる。今季のMVP獲得が確実視されるジェームズ・ハーデン、屈指のPGであるクリス・ポールを擁するタレント集団は魅力たっぷりだ。

 今プレーオフの西カンファレンス・ファイナルでも、ロケッツは第5戦を終えた時点でウォリアーズを相手に3勝2敗とリードしていた。結局は逆転負けしたが、このチームにレブロンが加われば、来季は打倒ウォリアーズの可能性も十分。今オフに同じくFAになるポールとレブロンは親友同士なだけに、2人が"談合"の末にチームメイトになっても驚きはない。

 一方、今季開幕直後からレブロンの移籍先として"大本命"に挙げられてきたのは、実はレイカーズだった。ロンゾ・ボール、ブランドン・イングラムという評価の高い若手を擁している上に、今オフには高額スターを2人手に入れられるだけのキャップスペースも保持している。有能なビジネスマンでもあるレブロンにとって、"ハリウッドのお膝元"に本拠地を置くチームは魅力的に違いない。

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