もし、レブロンがバケモノなら...。
NBAファイナル「想定外」の確率

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

 なかでも試合残り1分の速攻では、ファウルで止めようとレブロンの両肩に背後から手をかけるマーカス・モリス(PF)を引きずりながらレイアップを沈めてみせる。もはや、その姿はモンスターだった。最終スコア87-79でセルティックを下し、キャブスは4年連続のファイナル進出を決める。

 試合後の会見で、レブロンは「ファイナルで勝てるかどうかはまだわからない」と語るにとどめている。しかし、これでレブロン自身は2011年から8年連続、通算9度目のファイナル進出――。4個目のチャンピオンズリング獲得を狙うこととなった。

 一方、ウェスタン第2シードのゴールデンステート・ウォリアーズ(58勝24敗)は、第7シードのサンアントニオ・スパーズ(47勝35敗)、第6シードのニューオーリンズ・ペリカンズ(48勝34敗)を、ともに4勝1敗で危なげなく撃破する。

 カンファレンス・ファイナルでは、第1シードのヒューストン・ロケッツ(65勝17敗)と対戦。「事実上のファイナル」と呼ばれた今シリーズは、ロケッツが3勝2敗で先に王手をかけた。

 しかし、第5戦でクリス・ポール(ロケッツ/PG)が右ハムストリングを痛め、第6戦と第7戦の欠場を余儀なくされると、流れは一気にウォリアーズへと傾く。ウォリアーズも左足負傷のアンドレ・イグダーラ(SF)が第4戦から欠場するも、3年目のケボン・ルーニー(PF)が堂々のプレーでその穴を埋めてみせた。

 できることなら、両チームとも万全の状態での決着を見てみたかったが、ポールを欠くロケッツはジェームズ・ハーデン(SG)が奮闘するものの、第6戦、第7戦ともに後半になって失速。ウォリアーズが4年連続でファイナル進出を果たした。

 4年連続の対戦、果たして今季の勝者は――。そんな安易な一文を書く気にはなれない。

 ウォリアーズ「1.10」/キャブス「7.50」

 これは、イギリスのブックメーカーがつけたオッズだ。ウォリアーズ有利は誰の目にも明らか。ちなみに対戦成績の予想でもっともオッズが低かったのは、「ウォリアーズの4勝1敗」で2.50倍。続いて、「ウォリアーズの4勝0敗」の3.25倍だ。

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