NBAセミファイナル、
「キング」レブロンに引導を渡す若手は誰だ?

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by AFLO

「僕らの多くは普段、プレーオフでプレーしないような選手たちばかり。そんな僕らにアービングは試合前、全員にアドバイスをくれるんだ。コート上にはいないけど、コートの外から助けてくれる。僕たちは一緒に戦っているんだ」

 アービングのアドバイスの影響もあってか、ルーキーのジェイソン・テイタム(SF)や2年目のジェイレン・ブラウン(SG)ら若手たちは、プレーオフの舞台でも物怖じせずに能力を発揮。バックス相手に堂々としたプレーを見せた。

 また、アービングの代わりにスターターを務めた3年目のテリー・ロジアー(PG)がゴートゥーガイ(大事な場面で力を発揮する選手)となったのも大きかった。レギュラーシーズンのロジアーは平均11.3得点・2.9アシストという成績だったが、ファーストラウンド7試合では平均17.6得点・6.7アシストと急上昇。第7戦では26得点・9アシストとチームを牽引し、セカンドラウンド進出に大きく貢献した。

 第7戦で右のハムストリングを負傷したブラウンのコンディションは気がかりだが、右手親指の手術で3月中旬から離脱していたマーカス・スマート(PG)が復帰したことは朗報だ。セルティックスにとって大きな戦力アップとなるだろう。

 しかし、それでもタレントでは76ersが上回る。

 3月末に眼窩骨(がんかてい)骨折で欠場していたジョエル・エンビード(C)がついに復帰。2年目ながらオールスターのスターターに選ばれたセンターがコートにいるだけで、チームメイトにとっては心強いだろう。また、ベン・シモンズ(PG)もファーストラウンドでルーキーらしからぬ存在感を示していた。平均18.2得点・10.6リバウンド・9.0アシストと、平均トリプルダブルに近い成績を残している。

 ファーストラウンドで76ersに1勝4敗で敗れたマイアミ・ヒート(6位/44勝38敗)のドウェイン・ウェイド(SG)は、エンビードとシモンズを「NBAの未来だ」と語り、引退するかどうかの問いには「これから考える」とコートを去った。

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