NBAシード争い。東西2強の足元をすくう「大穴チーム」はどこか? (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 カズンズの欠けたチームを牽引し、2月の11試合では月間リーグ1位の平均35.0得点・13.0リバウンド(3位)・2.5スティール(2位)・2.2ブロック(3位)と大暴れ。11試合中5試合で40得点以上をマークし、カズンズ抜きでも8勝3敗の好成績を残している。ちなみに月間で平均35得点・10リバウンドを記録したのは、1982年のモーゼス・マローン以来のことだ。

 ペリカンズは2月、ニコラ・ミロティッチ(PF)をシカゴ・ブルズからトレードで獲得できたことも大きいだろう。今季開幕直前、ミロティッチは練習中にブルズのチームメイトと乱闘騒ぎを起こして顔面を骨折。その後、チームにトレードを要求したと報じられていた。この騒動がなければ獲得できなかった大物選手をシックスマンとして獲得できたことで、彼がペリカンズに好影響をもたらすことは間違いない。

 スリーポイントシュートの得意なミロティッチの加入によって、レイジョン・ロンド(PG)のパスの配給先も選択肢が広がった。また、カズンズ離脱によるインサイドの穴には、Gリーグ(※)でプレーしていたエメカ・オカフォー(C)を補強。5年ぶりにNBAに返り咲いたオカフォーは平均5.8得点・5.3リバウンドと奮起し、期待以上の活躍を見せている。

※Gリーグ=NBAゲータレードリーグの略称。将来のNBA選手を育成する目的で発足。

 対して、この終盤にきて怪しい雲行きとなってきたのは、イースタン2位のセルティックスだろうか。ひざに爆弾を抱えるエースのカイリー・アービング(PG)はプレーオフまで欠場する予定で、右手親指を負傷したマーカス・スマート(PG)の復帰も未定だ。

 さらにセルティックスは、アービングに次ぐ得点源だったジェイレン・ブラウン(SG)が試合中の脳震とうにより欠場中で、復帰は3月下旬と報じられている。まさに非常事態だ。だが、視点を変えれば「シード順位を下げてでもプレーオフに標準を合わせた」とも言える。開幕戦で左足首を骨折したゴードン・ヘイワード(SF)についても、ブラッド・スティーブンズHCは「今季中の復帰はない」と断言しているが、ヘイワード本人は「まだ希望は残されている」と今季中の復帰をあきらめていない。

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