NBAシード争い。東西2強の足元をすくう「大穴チーム」はどこか? (3ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 ブライアン・コランジェロGMはフルツが今シーズンの残りを全休する可能性も示唆するが、すでに練習は行なっているとのこと。新人王最有力と謳(うた)われたフルツの素材が一級品なのは疑いようがない。フルツの復帰が叶えば、76ersがイースタンの2強に肉薄する可能性も十分にあるだろう。

 一方、ジャズを「台風の目」として推したい理由は、ドノバン・ミッチェル(SG)の成長ぶりだ。2017年ドラフトで1巡目13位指名と、開幕前のミッチェルの評判はさほど高くなかった。しかし、10月・11月のウェスタン月間最優秀新人賞はカイル・クーズマ(ロサンゼルス・レイカーズ/PF)に譲ったものの、残りすべての月間最優秀新人賞を獲得。今季のオールスター・スラムダンクコンテストでも優勝を遂げ、一気に知名度を上昇させた。

 ミッチェルは現在ルーキー1位の平均19.9得点を記録しており、昨年12月1日のニューオーリンズ・ペリカンズ戦では41得点をマーク。ルーキーが1試合で40得点以上を記録したのは、2011年のブレイク・グリフィン(当時デトロイト・ピストンズ/PF)以来の快挙だ。

 今季のジャズは1試合平均失点はリーグ2位の99.8点。堅守を誇る守備型のチームだ。平均2.3ブロック(リーグ3位)のルディ・ゴベール(C)を軸に、2月にはディフェンスの得意なジェイ・クラウダー(PF)をキャブスから獲得して守備力をより強固なものとしている。

 さらにパサーの印象が強かった今季新加入のリッキー・ルビオ(PG)も絶好調だ。シュート力が向上し、現在キャリアハイとなる平均12.4得点をキープ。彼ら調子のいい選手が噛み合っていることで、ジャズは直近20試合を18勝2敗と驚異の成績で突き進んでいる。

 また、後半戦の"伸びしろ"という点で見ると、ウェスタン8位のニューオーリンズ・ペリカンズ(39勝30敗)も面白い。1月26日のヒューストン・ロケッツ戦でデマーカス・カズンズ(C)が左足のアキレス腱を断裂したのは大きな痛手だが、25歳のアンソニー・デイビス(PF)が覚醒した感がある。

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