NBAシード争い。東西2強の足元をすくう「大穴チーム」はどこか? (2ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 一方のウェスタンでは、右ひざ半月板を損傷したミネソタ・ティンバーウルブズ(6位/40勝30敗)のジミー・バトラー(SG)が4月上旬には復帰する可能性がある。また、大腿(だいたい)四頭筋の負傷でシーズンの大半を棒に振っているサンアントニオ・スパーズ(7位/40勝30敗)のカワイ・レナード(SF)も、早ければ今月中旬に復帰と言われている。

 そのなかでも今後、「台風の目」として期待したいのは、主力の復帰に加え、若手の成長という面で大きく躍進しそうなフィラデルフィア・76ers(イースタン6位/38勝30敗)とユタ・ジャズ(ウェスタン5位/40勝30敗)だ。

 76ersは新人王有力候補のベン・シモンズ(PG)のみならず、2年目のジョエル・エンビード(C)、さらにクロアチア出身のダリオ・シャリッチ(PF)と、チームのコアとなる若手が日々成長している。特にシモンズは平均16.3得点(ルーキー2位)、7.8リバウンド(同1位)、7.7アシスト(同1位)とマルチな才能を発揮。12月のイースタン最優秀新人賞はジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス/SF)に譲ったものの、それ以外の3ヵ月すべての月間最優秀新人賞を獲得している。本人も「今季の新人では自分がベストだとわかっている」とコメントするなど自信を深めているようだ。

 76ersは2月にシューターのマルコ・ベリネッリ(SG)とベテランのエルサン・イルヤソバ(PF)を獲得したことで、ベンチ層の厚みもさらに増した。ディフェンスの得意なロバート・コビントン(SF)やシューターのJ・J・レディック(SG)も好調を維持しているので、プレーオフ進出に向けて十分な駒は揃っている。

 さらに76ersは、もう一段階ギアを上げられる可能性を秘めている。それは、肩の故障で戦線離脱しているマーケル・フルツ(PG)の存在だ。

 2017年のドラフト全体1位で獲得したフルツは、レギュラーシーズンわずか4試合に出場しただけでチームから離れてしまった。当初の予想よりも復帰が遅れているのは、肉体的な要因だけではなく、「急激に変化したシュートフォームからイップスになったのではないか」とも心配されている。

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