日本バスケを五輪へ。馬場雄大は
少年ジャンプの主人公のように頷いた

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 是枝右恭●撮影 photo by Koreeda Ukyo

「正直、焦ったこともありました。塁と雄太さん、ふたりがアメリカで活躍する姿を見て。明らかにうまくなっているんで。

 でも、アメリカに行っただけでうまくなるんじゃない。それに、アメリカ、アメリカってなると、視野が狭くなる。アメリカに辿り着くだけじゃ意味がない。向こうで活躍することが目標なんで。

 だから、今はもう悩んでないです。焦るのもやめました。実力が伴ってナンボ。そのために、どうやってうまくなるか、1日1日をどう過ごすかしか今は考えません。

 もちろん、アメリカはずっと視野に入れているんで、サマーリーグに参加できるようなチャンスがあれば、必ず参加できるように準備も常にしています。ただ今は、東京五輪のためにも代表を優先。そこで結果を残すことが未来につながっていく」

 今できることを一生懸命。それは、バスケのスキル向上だけではないと、馬場は信じている。

「今季開幕直前に教育実習に行かせていただきました。『絶対に教師にはならないでしょ?』とか『保険?』って言われるんですけど、僕の感覚ではそういうことじゃなくて。国内に残ったからには教員免許を取るって入学時に決めたから、絶対に取ろうと。今できることを全力でやるって決めたんで」

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