打倒ウォリアーズの実現へ。ロケッツに不可欠な「ハーデンの相棒」 (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 こうして攻守がかみ合ったロケッツは、昨年12月18日まで14連勝を飾る。この時点ではウォリアーズをも上回り、リーグ最高勝率で首位を突っ走っていたのだった。

「打倒ウォリアーズに近いチームが存在するとすれば、過去3年連続でイースタン・カンファレンス王者となったクリーブランド・キャバリアーズや、伝統の強豪スパーズではなく、成長を感じさせるロケッツではないか」

 今季の序盤の戦いを見て、NBA関係者の間でもそんな見方がささやかれることが多かった。その理由が、前述した通り、補強でディフェンスが向上したことと、ハーデンの絶対的な存在感にあったことに疑いの余地はない。

「私はこの時期に相手チームのフィルムを見て研究はしない。しかし、ハーデンは例外だ。彼はとてつもないからね」

 2016年の年末、スパーズのグレッグ・ポポビッチHCが残していたそんな言葉が、ハーデンへの評価の高さを物語る。現役屈指の"アンストッパブル"なスコアラーと目されるサウスポーへの対抗策を見つけることは、"現代の名将"の名を欲しいままにするポポビッチにとっても簡単ではないということだろう。

 過去3年間のMVP投票で2度も2位に入ったハーデンが健在なら、ロケッツの視界は良好。これまで同世代のスターたちの陰に隠れてきた感もあった28歳のスーパースターにとって、チームも好調な2017-18シーズンは、ついにMVPを受賞する絶好機と言えるのかもしれない。

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