低迷ウルブズをNBAプレーオフに導く「まるでジャクソン5」な22歳 (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 もちろん、まわりに遠慮するだけの『いい奴』では、NBAで生き抜くどころか、NBAに到達することもできない。表には出さなくても負けず嫌いで、思うようにできない悔しさで眠れない夜もあるという。

 そんな彼は、フラストレーションを他人にぶつけないために、高校のころから試合中に独り言を言う癖があった。

 独り言を言い、フラストレーションをぶつける相手は想像上の分身――『カリート』。いつも肩の上にいるのだという。どうやらそうすることで、バランスをとっているようだ。

 新しいことを学ぶことが大好きで、スポーツもバスケットボールだけでなく、野球に打ち込んだ時期もあった。ゴルフも独学で学んだという。ピアノも弾ける。それだけいろいろやっていたら、勉強する時間などないと思えるが、実は高校時代から勉強も好きで、普通4年かかるところを3年間で卒業資格を取ったほどだ。

 進学先にケンタッキー大を選んだのは、バスケットボールの強豪というのに加えて、キネシオロジー(運動生理学)を学べるという理由もあった。バスケットボールでプロになれると言われるようになってからも、将来、医者になりたいという夢を持ち続けていたのだ。

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