NBAは「アメリカ以外出身」がスゴい。異能の世界超人たちが大暴れ (7ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 最後に、今季のNBAをもっとも沸かせているといっていい存在がヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス/PF)だ。

 ナイジェリア人の両親を持つギリシャ出身のアデトクンボは昨季、得点・リバウンド・アシスト・スティール・ブロックの主要5項目のスタッツすべてで上位20位に入るというNBA史上初の快挙を成し遂げた。今季は得点力がさらに向上し、現在リーグ2位の平均29.8得点を記録。10月21日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦ではキャリアハイの44得点をマークしている。

 好不調の波は激しいものの、まだ23歳。211cmの身長ですべてのポジション、すべてのプレーをリーグ最高クラスのレベルでこなす究極のオールラウンダーだ。「グリーク・フリーク(ギリシャの怪物)」と呼ばれるアデトクンボについて、ケビン・デュラント(ゴールデンステート・ウォリアーズ/SF)は「彼のような選手は見たことがない。彼なら史上最高の選手になれるかもしれない」と評価する。レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/SF)も「彼は非常に力強く、技術も才能もある優れた選手。偉大な選手になる道を間違いなく歩んでいる。シーズンMVP受賞に導いてくれる、すばらしい指導者(ジェイソン・キッド)にも恵まれている」と絶賛している。

 NBAへの門戸は世界中に開かれている。しかし、だからこそ、あらゆる国からその門をくぐろうとする怪物たちが集結し、より狭き門となっている。しかし、そうだとしても近い将来、出身国の欄に「JAPAN」と書かれた選手が出現することを願ってやまない。

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