NBAは「アメリカ以外出身」がスゴい。異能の世界超人たちが大暴れ (4ページ目)

  • 水野光博●文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • photo by Getty Images

 一方、アフリカ出身のビッグマンでは、1984年にヒューストン・ロケッツに入団したナイジェリア出身のアキーム・オラジュワンが有名だろう。オラジュワンは俊敏なステップで得点を量産し、のちに殿堂入りも果たした名センターだ。

 ただ、アフリカ出身センターのイメージといえば、1985年にワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)に入団した南スーダン出身のマヌート・ボルや、1991年にデンバー・ナゲッツに入団したコンゴ民主共和国出身のディケンベ・ムトンボといった「ディフェンス特化型センター」を思い浮かべるファンも多いかもしれない。ちなみに、オラジュワンのライバルだったパトリック・ユーイングはジャマイカ出身だ。

 そして1990年代に入ると、さまざまな国々出身の多彩な選手がNBAでプレーするようになる。1993年には全ポジションをこなすことができた万能型のトニー・クーコッチ(クロアチア)がシカゴ・ブルズに入団。1996年にはカナダ出身(生まれた場所は南アフリカ共和国)のスティーブ・ナッシュ(PG)がフェニックス・サンズに加入し、2005年と2006年に2年連続でシーズンMVPを獲得している。司令塔であるポイントガードのポジションも、ついにアメリカ出身選手の聖域ではなくなった。

 その後、1998年には大きくてシュートのうまい「近代ヨーロッパバスケの典型的選手」プレドラグ・ストヤコヴィッチ(クロアチア/SF)がNBAデビューを果たす。そして1999年、抜きん出たシュート技術と高さと強さを兼ね備えたドイツ出身のダーク・ノビツキー(ダラス・マーベリックス/PF)が登場する。

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