NBAドラフト候補の八村塁、ほろ苦いNYデビューも評価は落ちず (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ゴンザガ大は今季もNCAAトーナメント出場が有力視されている。準優勝を遂げた昨季に続き、マーチマッドネスで上位進出を狙うなら、ビラノバ大のようにチームを成熟させていかなければいけない。その中で存在感を高めていきたい八村にとっても、強豪相手の苦しい経験が、今後の糧となっていくだろう。

 解説者のウィリアムスは、八村への高い評価は変わらずも、現状での経験不足を暗に指摘した。

「多くの時間をカレッジのコートで過ごすことによって、より快適にプレーできるようになる。そうすれば、八村の能力が生かされるはずだ。NBAのドラフトで指名されるべき才能を彼は持っているから、あとは成熟させていくだけ。そこに辿り着くために、必要な努力を惜しまないことが大切だね」
 
 ゴンザガ大のようなNCAA1部の強豪校の戦力になっている時点で、八村が日本選手としては飛び抜けた才能を持っていることは間違いない。 まだまだ荒削りながら、ゲームによっては20点前後の得点を記録できてしまうことが、彼のポテンシャルの高さを証明している。まずはチーム戦術をマスターし、より多くの場数を踏むこと。稀有(けう)な身体能力を攻守両面で最大限に生かす術(すべ)を見つけたとき、八村は完全に覚醒するはずだ。

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