NBAドラフト候補の八村塁、ほろ苦いNYデビューも評価は落ちず (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 ルーキーイヤーの昨季は、NCAAトーナメントで準優勝を遂げたチームにあって、八村は平均4.6分のプレー時間しか得られなかった。しかし、カレッジの水にも慣れた2年目は成長ぶりをアピールしている。11月26日のテキサス大との試合では20得点、9リバウンドをマークするなど、大器の片鱗を見せはじめていた。特に身体能力はずば抜けており、近未来のNBAドラフト候補と目されている。

「(八村は)とても才能に満ちたプレーヤーだと思う。僕は彼のプレーを見るのが大好きなんだ。プレーの方法も理解しているし、長いキャリアを築くだろうね」

 かつてシカゴ・ブルズでプレーし、現在はESPNのカレッジバスケットボール中継の解説者を務めるジェイ・ウィリアムスも、八村をそう絶賛している。ウィリアムスは、バイク事故によるケガでNBAでは短命に終わったものの、2002年のドラフト全体2位でブルズに入団した選手だ。このウィリアムスに限らず、ニューヨークという大都会で、しかも"殿堂"と呼ばれるMSGで行なわれるゲームには、スカウトやNBA関係者も数多く訪れる。

「(MSGは)プレーしてみて、そんなに大きくなかったです。ただ、いろいろ歴史があると思うのでそれは感じました」

 八村はこともなげにそう述べたが、将来性抜群の"Rui Hachimura"は、間違いなくこの日の注目選手のひとりだった。だからこそ、いいプレーができれば強烈にアピールできていたはずだったのだが......。残念ながら、最良の結果は残せなかった。

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