田臥に続く日本人NBA選手へ。米国で4年生の渡邊雄太に必要なもの (3ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 バスケットボールファン以外も巻き込み、尋常ではない盛り上がりを見せることから、通称"マーチマッドネス(3月の狂気)"と呼ばれる同トーナメント。日本の甲子園に例えられることも多いが、アメリカでは大統領が公に優勝予想を展開するほどだから、その熱気はNCAAトーナメントのほうが一段上かもしれない。

 渡邊もこの"マーチマッドネス"への出場を1年生の頃から熱望してきたが、未だに実現できていない。昨季も惜しいところで届かず、ゴンザガ大の控え選手として決勝に進んだ八村塁に先を越される形となった。

「過去3年は本当に惜しいところまできて、出場できないままに終わっています。今年が最後のチャンス。これを逃したら、僕の人生の中でもう2度とNCAAトーナメントに出るチャンスはないので、なんとしてもトーナメントに出場したいですね」

 そう決意を述べる渡邊が悲願に近づくためには、間違いなく自身の"大活躍"が必要になる。個人の目標として、渡邊は「アトランティック10カンファレンスのプレーヤー・オブ・ジ・イヤー(MVP)」「ディフェンシブ・オブ・ジ・イヤー(最高守備選手)」の獲得を挙げていた。大きな目標にも思えるが、それくらいの覚悟が必要だということだろう。今季のジョージ・ワシントン大は決して前評判が高くないだけに、大黒柱がそのタイトルに値するほどの働きをしなければ上位進出は難しいのだ。

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