田臥に続く日本人NBA選手へ。米国で4年生の渡邊雄太に必要なもの (2ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

「今年は、ディフェンス面では常に相手のエースをマークして、さらに自分が点を取って、リバウンドも取って、アシストもして......ベストプレーヤーとしてすべてに取り組んでいくつもりです」

 開幕前の時点で渡邊がそう語っていた通り、今季のチーム内での負担が大きいことは明らかだ。多くの選手が新たに加入したジョージ・ワシントン大は"再建途上"にある。それだけに、ベスト・ディフェンダーであり、最高のスコアラーでもある渡邊が大黒柱にふさわしい活躍をしなければ、勝利は遠ざかる。ここまでFG成功率38.5%、3ポイントシュートの成功率23.5%という数字は、まだ物足りない。勝ち星を増やしていくためには、渡邊には"まずまず"以上のプレーが義務づけられている。

 2014年にジョージ・ワシントン大でデビューし、日本人男子としてはNCAAのディビジョン1(1部)でプレーする、史上4人目の選手となった渡邊。 身長206cmながら、左右の動きは極めてスムーズで、シュート力、パスセンス、スキルまで備えた万能タイプだ。日本バスケットボール界の未来を担う素材であり、アメリカでも"NBAに最も近い日本人プレーヤー"と評されることが多い。

 しかし、アメリカでの階段を順調に上ってきた渡邊にも、まだ成し遂げていない目標がある。すべてのカレッジボーラーの夢、 NCAAトーナメントへの出場だ。

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