主力が大ケガでも16連勝。
セルティックス「41歳コーチ」は何者か

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 開幕から2連敗を喫したときには、確かにそのように見えた。

 ところが、若く経験が浅いはずのこのチームは、2連敗後に16連勝(11月20日時点)でリーグのトップに躍り出たのだ。まだ長いシーズンが始まったばかりだとはいえ、11月16日には、ゴールデンステート・ウォリアーズをわずか88得点に抑えて競り勝つ粘り強さも見せている。オフェンス力はまだ弱いものの、リーグ1位のディフェンス力がチームの連勝を支えている。

 若さゆえの経験不足も、ヘイワードの戦列離脱も言い訳にせず、シーズン序盤から結果を残しているのは、間違いなくスティーブンスの手腕が大きい。

 今季からセルティックスに加わったアービングは、スティーブンスのコーチングに早くも感心することしきりだ。

「ブラッドは彼独自のやり方で特別な存在だ。とても知的で、個々の選手からどうやって日々、最大限の力を引き出すかをよく理解しているコーチだ」

 今シーズンが始まったとき、スティーブンスは選手たちに「年齢を言い訳にしないように」と話したという。年齢について話すかわりに、毎日成長することに集中しようとハッパをかけた。また、ヘイワードが離脱した後も、自分たちでシーズンの目標を下げることのないように気を配った。

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