主力が大ケガでも16連勝。セルティックス「41歳コーチ」は何者か (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 そんなことよりも、彼にとっては「次のポゼッションに勝つ」(スティーブンスのモットーのひとつ)ことに集中することが大事だった。パックマンのように、目の前にあるチャレンジをひとつずつクリアしていくことで、大きな成功へとつながるのだ。

 スティーブンスにとって、NBAのヘッドコーチになって5シーズン目の今年は試練で始まった。夏の補強でFA契約した大学時代の教え子、ゴードン・ヘイワード(SF)が開幕戦で左足を骨折。今シーズン中の復帰は難しくなった。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 昨季はイースタンでカンファレンス首位の座を奪いながら、カンファレンス・ファイナルでクリーブランド・キャバリアーズに1勝4敗と完敗。力の差を見せつけられただけに、今季は補強で差を埋めたと思った矢先の出来事だった。

 25歳のスーパースター、カイリー・アービング(PG)をトレードで獲得したとはいえ、ロスターの半数近くは新人かプロ経験1年の若手ばかり。アービングとともにチームを引っ張るべきヘイワードの故障で、「今季は優勝を狙うシーズンではなく、経験を積むシーズンになるだろう」と周囲は言い始めていた。

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