主力が大ケガでも16連勝。セルティックス「41歳コーチ」は何者か (2ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by AFLO

 スティーブンスは「新しいテクノロジーに適応できていない私にはピッタリだ」と言う。

 このコメントには、意外に思う人もいるかもしれない。バトラー大学のヘッドコーチ時代、スティーブンスは大学バスケットボール界にアナリティクス(スタッツ分析)の波をもたらした「若手天才コーチ」として評判になり、4年前にセルティックスのヘッドコーチに抜擢された、いわば「最先端のヘッドコーチ」の代名詞のような人だからだ。そんな彼が、新しいテクノロジーに対応できないというのだ。

 実際には、適応できないというよりは、適応することに意味を見出さないだけなのかもしれない。たとえば、ツイッターのアカウントは持っているものの、スマートフォンからはアプリを削除し、ふだんあまり使わないタブレットに入れているだけ。情報は入りすぎると邪魔なのだ。

 セルティックスのヘッドコーチオフィスにあるボイスメールのメッセージは、いまだ4年前にチームを去ったドク・リバース前ヘッドコーチの声のままだと言う。前任者の影が残っていても、気にするふうもない。そんなことで脅(おびや)かされるように感じたり、自分のカラーを出さなくてはいけないと思うほど、彼にはこだわりはない。

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