レブロン奮闘も高齢化で動きがスロー。V候補キャブスの様子がおかしい (4ページ目)

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Getty Images

 今のキャブスは、レブロンが孤軍奮闘してもなかなかファイナル進出が果たせなかった2010年までのチームを彷彿とさせる。今後、けが人の帰還とともに向上はするはずだが、それでもいくつかの重要な疑問が頭に浮かぶ。

 復帰後のトーマスが、本来の体調を取り戻せなかったら? 守備の要になるはずだったクラウダーが、後半戦でもその役割を果たせなかったら? チームの不調ゆえに、今季はリーグ最長の平均38.1分をプレーしているレブロンが、シーズン後半に疲れを見せたら?

これらの要素がキャブスにとってネガティブに働いた場合、イースタンの覇権争いは混沌としていくかもしれない。

 時を同じくして、アービングが加入したボストン・セルティックスは現在13連勝と怒涛の勢いで突っ走っている。完全復活に近づきつつある名門は、予想された通りにキャブスの最大のライバルとして浮上。レブロンとアービングの因縁もあるため、直接対決は盛り上がるだろう。

 現時点で先行きを読むのは難しいが、はっきりと言えるのは、2017-18シーズンのイースタン・カンファレンスが、近年になく興味深いものになるということ。チーム全体に勢いが感じられない今季のキャブスに、宿敵セルティックスを打ち破る底力が備わっているのか。選手個人として、7年連続でファイナルに進んできたレブロンは、再びチームを押し上げられるのか。それらの問いの最終的な答えが出る来年春まで、スリリングで劇的なシーズンが続いていきそうだ。

◆開幕前のキャブスは「アベンジャーズ並み」との前評判だった>>

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