ロケッツにすべてを賭けるクリス・ポール。「3度目の正直」なるか? (3ページ目)

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko
  • photo by Getty Images

 質問者が「この状況をどうやって乗り越え、次の段階に進むのですか?」と聞くと、ポールは言葉を探しながら答えた。

「そうだな......ただ......よくわからないけれど......プロセスを踏むことを好きになることかな。結局のところ、これは僕らが大好きなゲームにすぎないんだ。言いたいこと、わかってくれるかい? 実現するまで、がんばり続けるだけのことだ。これまでと変わることなくトレーニングして、プレーして、努力して壁を突き抜けるまで、そういったすべてのことをやり続けるだけだ」

 好きなことをやっているだけで、そこまで深刻なことではないのだから、これからもあきらめずに努力し続けるだけ――というわけだ。これもまた、誰に向かって語るというよりは、自分自身に言い聞かせているようだった。

 それから2ヵ月弱経った6月下旬、ポールはトレードによってロケッツに移籍する道を選んだ。7月にFAになれば引く手あまただったが、ロケッツでジェームズ・ハーデンとともに優勝を狙うことを選択したのだった。

「彼は特別な競争心を持った選手だから」

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